「Think Simple」を読んだ。おすすめです

何か事ある度に「人が集まるとろくなことがない」って口にしているのですが
その解がこの本には詰まっていました。

人間と人間とがぶつかり合い、意見を戦わせることで良いものができるという研磨機おじさんの話はこちらを参照ください。

読んでいて引っかかったところをメモ。

進め方の話

プロジェクトの成果の質は、そこにかかわる人間の多さに反比例する

渋い。

プロジェクトの成果の質は、最終的な意思決定者がかかわる程度に比例する

渋い。

プロセスが王様のときに、アイデアはけっして王様にはなれない。プロセスの段階を増やせば増やすほど、完成品の質が悪くなることは、<常識>を働かせればわかるだろう。

厳しい。

フォーカスグループによって製品をデザインするのはとてもむずかしい。多くの場合、一般の人は実際に製品を見るまで、何がほしいかわかっていないからだ。

有名なヤツだ。消費者を馬鹿にしているんじゃなくて、クリエイティブなものをつくるのに、人の意見ばかり気にするんじゃなくて、徹底的に最高のものをつくろうとすることが大切だ。みたいな話だった。

ピクサー内部で彼(ジョブズ)は、クリエイティブな会議には出席しないように求められていた。さもなければ、ライターやアーティストが大量に造反する恐れがあったからだ。

案外言うこと聞くんだなって笑ってた。

話しあいの話

シンプルさはせっかちだ。いきなり本題に入って、大事なことに集中したがる。

会議で完結に要点を伝えないとすぐに追い出されるの、相当きついと思う。

クライアントを結論に導くことと、クライアントを愚か者のように扱うことはわずかな違いしかない。おそらくスティーブが「導かれる」ことに反応したのもそこに理由があったのだろう。スティーブに対する最良のアプローチは、ただ事実をテーブルの上に並べて、議論を始めることだった。

資料音読会議に対するアンサーソングだ。

最後に「何かご質問は?」と問いかけても、議論を推奨しているわけではない。最終的に、ほとんどのビジネスは人間関係の問題になる。堅苦しくないプレゼンで正直な議論をすることは、人間関係を深める道であり、それがよりよい結果をもたらすのだ。

建設的だ。

イデアの話

アップルの競争相手が売る電話機は、ほとんどの名前が覚えられないほど難しい。その理由は、あまりにもモデルの数が多いのと、それらがブランド名や電話の機能とは関連がないからだ。

iPadが披露されたときに、ライバル各社は特徴がないと批判した。〜中略〜iPadに「欠けている」ものをすべて足して、魅力的な機器にしようとした。ところが、そうした足し算では売れなかった。消費者にとって魅力的に映ったのは、アップルがデザイン段階でおこなう引き算だったのだ。

万物のすべてにおいて、デコ盛りしてよかった試しなんてほとんどない。

たとえば、スティーブの承認を得た広告を作っていて、撮影中や編集中にもっといいアイデアを思いついたとしよう。そのとき私たちは、いつでも新しいアイデアをスティーブに提案することができた。彼もそれを期待しているようで、新しい広告が議題にあがることを楽しみにしていた。

ロストインタビューで言っていた研磨機の話だ。

ティーブはそうした「幸運なアクシデント」、つまり、ランダムに起こる話しあいを信じていた。

研磨機おじさんだ。

プロセスによって効率を上げることはできる。だが、イノベーションは人が廊下で出くわしたり、夜の10時半に電話をかけあったりするところから生まれるのだ。新しいアイデアを思いついたとか、ある問題に関して行き詰まっている原因に思い当たったとかいう理由でね。最高にクールで新しいものを考えだした人間が、そのアイデアについて意見を聞きたいと思って電話をかけた6人が集まる。そこで臨時会議がはじまるというわけだ。

研磨機だ。

シンプルさのためには、あなたも否定的な答えに遭ったときには精査するとよい。その「ノー」はたんにあなたの要求が高すぎることを言っているだけかもしれない。しかしそう要求することが、普通以上の結果を得るためには必要なのだ。

プロジェクト単位で取り入れるとデスマ礼賛になる。これは自分自身への要求へ置き換えるのが正解だ。

ある問題を解決しようとして、最初に考えだした解決策がとても複雑だったとしよう。ほとんどの人はそこで考えるのをやめてしまう。だが、そこでやめずに考えつづけて、タマネギの皮をむくようにムダなものをそぎ落としていくと、とても洗練されたシンプルな解決策にたどり着くことがよくある。

良い話だ。

イノベーションをするときに、ミスをすることがある。最良の手は、すぐにミスを認めて、イノベーションのほかの面をどんどん進めることだ。

肝に銘じよう。

プロダクトの話

PCメーカーのように、無秩序にモデルを増やし、各モデルの違いがわからない状態とは依然としてまったく違う。

やめてあげて。

アップルが極端に走る理由は、顧客が箱に触れた瞬間から品質のよさを感じてもらいたいからだ。

良い話だ。

アップルが何よりも優先するものがあるとすれば、それは顧客体験だ。アップルとかかわることすべてにおいて、顧客が常にすばらしい体験をすることが目標だ。

アップルケアっていうバカ高いサポート費用払わなくても気軽に修理してくれると合点できる。

まとめ

シンプルさはあなたのビジネスにすばらしい結果をもらたしてくれるだろうか?もちろんそうだ。なぜなら、シンプルさは目標ではなく、目標を達成へと導いていくれる光だからだ。

シンプルは光だ。